コンサルティングファームの入社難易度とメリット・デメリット比較

2023-07-20

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こんにちは、爽です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

この記事では、現役でコンサルティングファームに所属している私がコンサルティングファームの入社難易度と入社するメリットとデメリットを中心にご紹介しようと思います。

例年、人材系各社が学生へのアンケートをもとに就職希望ランキングを作成していますが、その中にはアクセンチュア、BIG4のデロイト、PwC、アビームコンサルティング等のファームもその中に名を連ねることもあり、中で働いている身としても年を重ねる毎に人気が上昇していることを感じています。
実際、キャリタスが発表している2021卒向けに行っているアンケートでは上記の企業がいずれも200位以内には位置しているようです。
(キャリタス就活2021:発表!2021年卒の就活生が選ぶ人気企業とは?~就職希望企業ランキング:総合編~

とはいえ、コンサルティングファームって、そもそも何をしている企業なのか分からない方や、なんとなく入社が難しいイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コンサルファームの事業内容に軽く触れた後に入社難易度、入社するメリット・デメリット、及び本当に激務かどうかまで紹介していこうと思います。
また、最後にはコンサルティング業界の人材が流動的である理由も考察しています。

■この記事の対象読者
・コンサルティングファームへの就職・転職を考えている方

それではどうぞ!

コンサルティングファームとは?

コンサルティングファームはクライアント企業の課題を解決する企業

そもそもコンサルティングファームってそもそも何をしている企業なのか気になっている方もいると思います。
これはファームによっても事業内容は様々なので、一言では表現できないのですが、全てのファームに共通している点としては
「企業の課題を明らかにし、それを解決する為の助言とクライアントと一体となって課題解決をする」
ことを生業としている企業であるということです。

企業は日々、多くの課題に直面しています。
経営戦略の立案、業務改善、基幹システムの刷新、人材確保、イノベーションの創出、売上拡大、コスト削減、などなど数え始めたらキリがないでしょう。

コンサルティングファームはそのような企業が抱えている様々な課題に対して、現状とあるべき姿(As-IsとTo-Be)を可視化し、具体的にどこに問題があるかを整理し、何をすれば解決できるかを提言します。
また、必要であれば提言内容を実行する為のプロジェクトを立ち上げ、クライアントと一体となって課題解決を目指します。

このようなことを日々実行している企業がコンサルティングファームです。
下記の記事でも、コンサルティングファームの簡単な紹介とコンサルに向いている人の特徴、及び身につくスキルを紹介しているので良かったら参考にしてください。

コンサルティングファームの入社難易度

続いて入社難易度について紹介します。
これについては私見になりますが、新卒入社についてはリクルーターの経験から、中途入社については転職の経験からそれぞれ説明します。

新卒入社は高難易度

各社とも新卒入社の難易度は高いと思います。理由は以下の3点です。

新卒入社の難易度が高い理由

倍率が高い

ESとWebテストで足切りがある

高いレベルのポテンシャルが要求される

理由①:倍率が高い

1点目は、ただ単に採用人数に対する応募者の数の倍率が高い為です。

何倍かまでは分からないのですが、人気企業ランキングに名を連ねているということもあって、各社とも最低でも数十倍くらいの倍率はあるのではないでしょうか。
また、倍率が高いということは優秀な人材も集まってきやすいということですし、このコロナ禍で採用人数も絞るはずなので、競争はより激化することが予想されます。

理由②:ESとWebテストで足切りがある

2点目は、ESとWebテストで足切りがある為です。

倍率が高いことからも、全ての学生に面接を受けさせることはできない為、しっかりと学生時代に胸を張れる経験をしていて、Webテストも対策をしている学生でないと面接にすら行けないです。
なお、Webテストについては以下の記事でまとめているので良かったら参考にしてください。

記事でも触れていますが、Webテストの対策をするならSMART/SPI-Gというサービスがおすすめです。
このサービスは、SPIはもちろん、玉手箱、TG-WEB、Web-CABなどSPI以外のWebテストを再現した模擬テストを2,500円で半年間何度でも受験を繰り返すことができるサービスです。
また、出題傾向や解き方のコツなど、解答テクニックも掲載されています。
対策本を全部コンプリートするよりも、まずはこのサービスに登録して、自分の志望企業のWebテストが網羅されていない場合はに対策本を買う、というスタイルがおすすめです。
対策本は1冊3,000円くらいはするので、決して安くはない為です。

理由③:高いレベルのポテンシャルが要求される

3点目は、グループディスカッションや面接といった選考過程の中で、高いレベルのポテンシャルが要求される為です。
それを裏付けるかのように毎年入社してくる新人も能力が高い人が多いことを実感しています。

その求められるポテンシャルの中でも1番重要視されるのが論理的思考力です。
コンサルタントは新人といえど、自分で考えて行動して成果を出すことが常に求められますので、論理的思考力がないと判断されてしまうと採用されることは難しいと思います。
完璧である必要はないですが、コミュニケーションの中で最低限の論理性を発揮することは必要です。

中途入社はそれほど高くない印象

対して中途入社の難易度は新卒入社に比べると、それほど高くないと思います。理由は以下の3点です。

中途入社の難易度はそれほど高くない理由

慢性的に人手不足なのでほぼオールシーズン求人が出ている

何か一つでも特化した専門性があれば必要とされる可能性が高い

利用する転職エージェントによっては選考をショートカットできる

理由①:慢性的に人手不足なのでほぼオールシーズンで求人が出ている

1点目は、UPorOUTという言葉がコンサルティング業界で定着している通り、人が流動的であることもあり、ほぼオールシーズンで求人が出ている為です。

1年を通じて大体どこかしらのファームで求人が出ているので、ほぼいつでもどのファームへも応募することが可能です。
更にこれもファームによって異なると思いますが、中途入社は応募回数の制限がないところもあるので、ファームによっては何度でも応募することが可能です。
実際、私の知人の中にも中途入社として複数回に渡ってファームに応募し、入社を果たした方がいます。

理由②:何かの専門性に特化していれば必要とされる可能性が高い

2点目は、ファームは一つでも多くの知見を集めたいので、何か一つでも特化した専門性があれば必要とされる可能性が高い為です。

ファームは各領域の知見を結集した上で、それを標準化した知識に体系化し、その知見をプロジェクトで用いることで価値最大化を図っています。
例えばある領域に詳しくないコンサルタントでも、ファームによって体系化された知見を用いることで、必要最低限の前知識を持ってプロジェクトに臨むことができます。
その為、ファームは常に体系化した知見を最新化する為に様々なバックグラウンドの人材を求めています。
従って、何か一つでも語れる領域があり、それが企業のニーズに合致しているのならオファーを貰える可能性は高いです。
例えば今だったら、デジタル人材やグローバル人材、バイオ系の知見を持った人材なんかは重宝されると思います。

理由③:利用する転職エージェントによっては選考をショートカットできる

3点目は、転職エージェント経由での転職限定なのですが、エージェントによっては選考をショートカットできる為です。

これも各社と転職エージェントによって違いはあると思いますが、転職エージェントを経由することで、例えば書類選考が事実上スキップされたり、Webテストが免除されたり、面接回数が減ったりする可能性があるということです。

転職エージェントも色々ありますが、ファームへの転職ならアクシスコンサルティングがおすすめです。
以下の記事でアクシスコンサルティングを含め、転職エージェントを比較しているので、良かったら参考にしてください。

コンサルティングファームに入社するメリット・デメリット

次に私がファームに入ってみて、メリットと感じたところとデメリットと感じたところ、それぞれ列挙します。まずはメリットです。

コンサルティングファームに入社するメリット

圧倒的に成長できる

転勤がない

グローバルに活躍できる

高年収

メリット①:圧倒的に成長できる

メリットの1点目はおそらく想像がつくと思いますが、若い頃から圧倒的に成長できます。

よくベンチャー企業や中小企業では若手に責任ある仕事を任せるので成長速度が早いと聞きますが、ファームでも同じことが言えます。
一度プロジェクトにアサインされた以上は、例え新人であってもクライアントから高いフィーを頂く立場には変わりありません。
従って、新人といえども甘えた態度や納品物の手抜きは許されず、常に最高のパフォーマンスを発揮し続けることが求められます。
また、担当するタスクの幅もNon-ITのプロジェクトでは調査、調査結果の分析、会議調整、インタビュー、プレゼンテーション、議事録作成、これに加えてIT系のプロジェクトだったら、V字モデルの各工程をどれでも任される可能性だってあるので、範囲が広いです。

このことから分かるようにファームに入社することで、若いうちから市場価値がめちゃくちゃ高いサラリーマンになることができます。

メリット②:転勤がない

メリットの2点目は、ファームによるかもしれませんが基本的に転勤がないことです。

地方のプロジェクトの場合、出張ベースでの出勤が一般的なので、月曜日に移動し、日中はクライアント先でプロジェクトをこなし、夜はホテルに宿泊、金曜日の夜になったらまた自宅に戻る、というような生活です。
従って、基本的に転勤はないので転勤したくない人にはおすすめです。
また、今はコロナもあり、国内での出張も減っていると思います。

メリット③:グローバルに活躍できる

3点目のメリットは、これもファームによりますが希望して能力さえあれば、グローバルに活躍できることが多いです。

昨今はコロナ禍もあり、海外への出張は難しいですが、それでも各社とも日本以外の市場に注力していくのは当然のトレンドで、海外で活躍できる人材を育成していることも事実です。
もちろん、グローバルに活躍する為に最低限の能力は必要ですが、それでも希望さえすれば世界を飛び回って仕事をすることも夢ではないです。

メリット④:高年収

最後のメリットは給料が高いことです。

平均年収.jpというサイトによると、東京都の30代の平均年収は554万円との記載がありますが、この金額よりはどのファームでも貰えるはずです。
また、マネージャー以上にもなると評価次第では年収は1,000万円を超えてきます。
従って、人並み以上には稼げると思います。

次にデメリットを紹介します。

コンサルティングファームに入社するデメリット

仕事のプレッシャーが半端じゃない

ずっと勉強しなければならない

大手日系企業に比べて福利厚生が充実していない

デメリット①:仕事のプレッシャーが半端じゃない

デメリットの1点目は、圧倒的な成長が期待できる分、仕事のプレッシャーが半端じゃないです。

コンサルティングフィーはとにかく高いです。
特に若い方はクライアントへの請求書を見ると驚くと非常に思います。自分ってこんなに請求単価高いんだ、と。
従って、クライアントからの圧は相当強いですし、上司の「これくらいできるよね?」感も半端じゃないですw
で、こちらも高給を貰っている以上、見栄を張らざるを得ないので、業務中は常にプレッシャーを感じる必要があります。

でも、だからこそ圧倒的に成長できます。

デメリット②:ずっと勉強しなければならない

2点目のデメリットは、ずっと勉強しなければならないことです。

ほとんどのコンサルタントがクライアントからの期待に応え続ける為に、業務後も寝る間を惜しんで勉強に励んでいます。
従って、勉強が嫌いな方だったり、プライベートの時間を充実させたい方には向いていないかもしれません。

デメリット③:大手日系企業に比べて福利厚生が充実していない

3点目のデメリットは、一般的な大手の日系企業に比べると福利厚生に乏しいです。

雇用保険制度や健康診断の定期的な受診、育児・介護支援など、最低限の制度は整っているファームが多いですが、住宅手当や社食制度などはないところが多いと思います。
ただ、人より年収を多く貰えてることもあり、福利厚生についてはそんなに気になったことはありません。

コンサルティング業界って激務なの?

次にコンサルティングファームの激務度についてです。
この質問については、【就活&転活】コンサルティングファームに向いてる人の特徴と身に付くスキル4つという記事でも書きましたが、入社した企業の文化とアサインされたプロジェクトによります。

例えば、給料の中に残業代が見込まれているような企業でしたらなるべく残業はしない雰囲気でしょうし、別途残業代が支給される企業の中の予算が豊富にあるようなプロジェクトだといくら働いてもいいよ、ってことになると思います。
ただ、昔と違って今ではほとんどの企業で36協定を導入しているはずなので、月の残業が100時間にも及ぶような非現代的な労働環境の企業は多分ないと思います。
しかし、プロジェクトを完遂しなければクライアントとの契約違反になることもあるので、炎上しているプロジェクトだと土日を潰すくらい激務になる可能性はあると思います。

これはケースバイケースで、コンサルティング業界に限った話でもないと思います。

コンサルティング業界の人材が流動的である3つの理由

最後に私見とはなりますが、なぜコンサルティング業界の人材が流動的であるかどうかを考察してみました。
色々理由はあると思いますが、大きくは以下の3点の理由だと思います。

コンサルティング業界の人材が流動的である理由

UPorOUTの文化

業界内の垣根が低い

市場価値が高いので事業会社にも好条件で転職できる

理由①:UPorOUTの文化

1点目の理由は、記事の途中にも書きましたが、業界内にUPorOUTの文化が根付いている為と考えます。

コンサルティング業界には昇進できる見込みがないなら退職するという文化があります。
その文化が示すように、昇進できる見込みがない人にとっては続けづらい雰囲気になっているので、その雰囲気に耐えられずに退職する人が多いのではと思科しています。
個人的にはこの文化は良くない文化だと思っています。

理由②:業界内の垣根が低い

2点目の理由は、業界内の垣根が低く、転職が容易であるという理由です。

特に総合コンサルティングファームは各社で強みや特徴、企業の文化などは違えど、事業内自体はほぼ同じことをやっています。
また、ファーム出身というだけで、他のファームに移動しやすい文化も少なからずあります。
従って、現職と同じことが出来る上に雇用条件も良くなるようだったら、当然そちらに流れる人はいます。

理由③:市場価値が高いので事業会社にも好条件で転職できる

最後の理由は、いわば食いっぱぐれがないということです。

ファーム出身者は様々な業界で、大小問わず多くの難しいプロジェクトを経験してきた人材ですから、経営的視点、業務的視点、ITスキルなど、どの企業でも重宝されるような視点やスキルを身につけており、市場価値が高いです。
従って、ファーム以外にも事業会社への転職を果たす話はよく聞きますし、何なら今と同じ条件、もしくは好条件で移るという話も珍しくありません。

まとめ

ということで、今回はコンサルファームの入社難易度、入社するメリット・デメリット、及び本当に激務かどうかについて執筆しました。
また、最後には私見とはなりますが、コンサルティング業界の人材が流動的である理由についても考察しました。

この記事を読んで、コンサルティング業界に興味を持って頂けたら幸いです。

なお、コンサルティング業界への転職に興味が持った方には以下の記事で、転職の際に使える転職支援サービスをご紹介しているので、よろしければ参考にしてください。

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